メスにも角がある動物もいれば、オスにしか角のない動物っていますよね。じゃあどんな種類の動物にはメスにも角があって、どんな動物にはオスにしかないのか、単純な興味からまとめてみたので、みなさん一緒に共有しましょう。※僕は角が好きなので、いらないことをつい書き込んじゃってます。豆知識は飛ばして読んで大丈夫です!
角のある動物
角がある動物は
- ウシ科
- シカ科
- プロングホーン科
- キリン科
- サイ科
の動物です。上の4つは偶蹄類、サイだけ奇蹄類ですね。
詳しくは以下の記事にまとめました。
メスにも角がある動物
メスにも角がある動物は上の大きなくくりでわけられれば簡単ですが、そうもいきません。それぞれ見ていきましょう。
ウシ科
ウシ科の動物 (ヤギや羊もそうです) は基本的にはメスも角を持ちます。
一般的に想像するウシさんはメスもオスと同じような角を持ちます。ただ牧場で飼育されているウシさんは他のウシや人間を傷つけないように、幼い頃に除角されているので角がないように見えることも多いです。
羊や山羊ではメスも角を持ちますが、オスよりもやや小さいことがほとんどです。オス同士が闘うときに使われる他、メスも子どもを守るために角を使って闘うそうです。頼もしい。
※ただしアンテロープの中には例外的にオスのみ角を持つものがいます。アンテロープはウシの仲間の中でも野生で暮らすシュッとしたやつらで、アフリカに住んでいます。メスが角を持たないのはインパラやウォーターバック、ブラックバックなどをはじめ、マイナーなものを含めるとまぁまぁ多いです。進化的にどうしてこうなったのかはよくわかっていないようです。
角を生やす遺伝子は劣性遺伝ですが(羊はオスで優性)、現存するウシのほとんどは角を持ちます。これは長い時間をかけて角がある形質が選抜されてきたということで、それだけ子孫を残すのに角が有利ということでしょうね。ヤギさんは角なし遺伝子をホモにもったメスは繁殖能力をもたない、間性という遺伝的な性質があって、角なし遺伝子が排除されやすいようなメカニズムがあります。おもしろいですね。
羊はメスでのみ無角遺伝子が優性で、オスでは有角が優性となると言われます。つまり角のあるメスと角のないオスを個体をかけ合わせると、その子どもはオスだけ角をもつようになります(普通のウシだと普通は全部角をもたなくなります)。これは遺伝子の発現がホルモンなどによって制御されるからです。
こんな風に性によって遺伝子の表現型が変わるものを従性遺伝といったりします。性染色体にガッツリ乗って遺伝するのは伴性遺伝ですね。こっちの方は有名かもしれません。
※誤解のないように付け加えると、豆知識で述べたように角のないウシやヤギはいますが、性別には関係なく、遺伝子の組み合わせによってオスでもメスでも角がなくなることがあります。ただ自然な交配では比較的珍しいケースということです。
シカ科
シカ科は一部を除いて、メスは角をもちません。
オスもメスを巡って闘う秋に向けてたくましい角を作り上げますが、子どもが生まれる春頃には抜け落ちます。子どもを守るのにも使えよって思ってしまいますね。まあオスは基本的に群れに属さないので、子どもを守ったりはしないんですね。薄情者です。
例外的にメスでも角を持つシカ科の動物がトナカイです。
トナカイはオス同士が闘う以外にも、雪を掘って餌を探すのに角を使うので、メスでも角があると便利なんですね。
上ではトナカイ以外のシカは角を持たないと書きましたが、角を持つメスの目撃情報はたくさんあります。
これは男性ホルモン呼ばれる、テストステロン値の上昇によると考えられています。外見はメスだけど精巣をもっている仮性半陰陽という異常な個体か、異常はないけどホルモンバランスの乱れで角が生えちゃったという2パターンあります。前者は秋のオスのような枯角までいきますが、後者は皮膚をかぶった袋角までだと言われます。
まあ仮性半陰陽とか言い出したら性差の話にならないので、それは今回は無視しましょう。普通のメスでもなんかの拍子に角を生やすことがあるよってことですね。
シカの枯角とか袋角とか、角の生え替わりに興味がある方はこちらもぜひ!
プロングホーン
プロングホーンのメスは角があったりなかったりします。あっても小さいです。実際に僕はメスのプロングホーンを見たことがないので、確認したことはないんですが、いつかはアメリカでプロングホーンの群れを見てみたいです。
プロングホーンはなかなか聞かない動物だと思います。日本では以前、神奈川県の金沢動物園で飼育されていましたが、彼が亡くなってからは日本で見ることはできなくなってしまいました。もともと飼育が難しく、1年以上生かすことすら難しいと言われていた動物なので、まあ無理もないかと思います。
プロングホーンは枝分かれする角が特徴ですが、絶滅した絶滅したプロングホーンの仲間には、枝分かれのない角を持つものやシカのようにもっとたくさん枝分かれしているものもいました。ちなみにプロングホーンもメスの角は枝分かれしていません。
下の写真は絶滅したストックケロスの頭です。Uの字のファンシーな角をお持ちですね。
キリン科
キリン科はキリンとオカピの2種ですが、キリンのメスには角があるのに対し、オカピのメスには角は生えません。
キリンではややメスの方が小ぶりかなーって感じです。あと角にふさふさした毛束が乗っかってるのもメスな気がする、というのが僕の所感です。
キリンの角は皮膚に覆われているので、あんまり角って感じはしないかもしれませんが、一応骨が出っぱっていて5本の角があります。目立つ2本に加え、おでこの中心に1本と、後頭部に突起みたいなのが左右2本あります。まあキリンは頭をぶつけるようなケンカはせず、首で殴り合うので、角は別に重要ではないようですね。
オカピの角も形態はキリンと同じですが、数は2本だけですね。下の写真がオカピです。
サイ
サイは種によってメスにも基本的に角がありますが、種類によってはかなり小さかったり、角がない個体も確認されています。
- シロサイ&クロサイはオスと同じようにメスにも2本の角がありますが、やや小ぶりです。
- スマトラサイのメスは前後2本ある角のうち、後ろの角がコブ状になっていたりします。
- インドサイ属はインドサイとジャワサイが含まれ、上の3種と異なり角が1本しかありません。基本的にメスにも角はありますが、ジャワサイでは角がないメス個体が確認されています。
下の写真はスマトラサイの親子です。メスの後ろの角はほとんどコブみたいになっていますね。
スマトラサイはサイ科の中で最も古い種だと考えられており、毛が生えてるのが特徴です。モフモフの赤ちゃんサイがとってもかわいいですね。素敵な写真です。
まとめ
いかがだったでしょうか。メスにも角があるの?という問いには答えられたかと思います。みなさまがスッキリしてくださっていれば幸いです。
- ウシの仲間→メスも角ある。アンテロープの仲間には例外がいる。
- シカの仲間→メスは角ない。トナカイだけ例外。
- プロングホーン→メスも角あるけど、枝分かれなしで小さい。
- キリンの仲間→キリンはメスも角あるけど、オカピはない。
- サイの仲間→メスも基本角あるけど、種類によってはない個体もいる。
僕は動物の角が好きなので、ついいろいろ調べてしまいます。その都度記事を書いているので、よかったら他のものも読んでみてください。
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