ワーホリや語学留学でオーストラリアに来たのになかなか英語が上達しない、もっとネイティブとしゃべる機会がほしい、またはオーストラリアの牧場や田舎暮らしを体験してみたい。そんなあなたにおすすめなのが無給のファームステイです。今回は僕が一ヶ月滞在した肉牛牧場の暮らしとその素晴らしさを紹介したいと思います。
目次
ファームステイ先の見つけ方
僕は無給で4-6時間くらい働く代わりに、寝床とごはんを提供してくれるというExchangeとかって呼ばれる形式でステイ先を探しました。
有名なのはwwoofですね。wwoofに登録すれば、ボランティアを探している農家を簡単に見つけることができます。人気なところはすぐ埋まるので競争になるらしいですが。でもwwoofって登録するのに70ドルくらいとられるんですね。wwoofメインで農家を渡り歩く人にはいいかもしれませんが、なんか払いたくないなぁと思うわけです。
なので僕は普通にGumtreeやBack packer job Boardでunpaidの求人情報を探しました。家畜がいる牧場がよかったので、farmとかcattleとかlivestockとかで検索すると何個かは出てきました。そのうち連絡をとったらすぐ返信が来たキャンベラ近郊の肉牛牧場に行くことになりました。
返信が来なくてもめげずに、いろんなところにメッセージを送ってみましょう。またなるべく説明が詳しいところや、対応が丁寧なところを見極めるのが大切かと思います。
おじさんの家
僕が行ったのは40代の脱サラした元銀行マンのおじさんが、地元に帰って始めた肉牛牧場でした。80頭くらいのブラックアンガス (黒毛の牛)を広大なパドックで放牧していて、仔牛を増やして肥育農家に売る、生産農家でした。って家畜情報はきっとみなさん興味ないですね。
引っ越してきてまだ1年くらいということで、牧場業務に加えて、家や牧場の改修を手伝ってほしいということでした。ボランティアを募集している牧場はこんな感じのところが多いと思います。
基本はおじさんの1人暮らしで、たまにボランティアの人がいるくらいな感じだそうですが、僕が来たときにはアルゼンチンのおじさんとニュージーランドのお姉さんがいました。2人は1週間後に旅立っていったので、残りはおじさんと僕、犬3匹、猫1匹で暮らしていました。
こいつらに日々癒やされました。
日々のお仕事
おじさんはとてもやさしくて、仕事は強要されず、「牛に餌やりに行くけど来る?」とか「ひまだったらこの部屋のペンキ塗っててくれない?」とかって感じだったので、僕は働いたり、働かなかったり、大半はNetflixを見て過ごしていました。すみません。
でももちろん仕事があるときももちろんあって、
四輪バギーみたいなので牛を追ったり
フェンスを建てたり
エレクトリックなフェンスを建てたりしてました。
後半はフェンス張りが本格化し、広大な農場に何キロにも渡るフェンスを建てるという、新参農家が避けては通れないビッグプロジェクトを手伝いました。果てしなかった。
あとは薪割りとか、お皿洗いとか、日々の雑務もなるべく自主的にやるようにしていました。
英語について
おじさんとのマンツーマン英会話レッスン
農場での仕事も、ごはんも、街まで行く30分くらいのドライブも、ずっとおじさんと2人なので、英語を話す機会は嫌というほどありました。僕のつたない英語なんとか聞こうとしてくれるし、おじさんもわかりやすく喋ってくれるので、楽しく英会話の練習ができました。
また、田舎でやることがないので基本夜はテレビや映画を見て過ごしていたので、リスニングがだいぶ鍛えられたと思います。まあこれは日本でもできますが、「英語の勉強するぞ」ってとき以外の、何気ない日常の中でも強制的に英語が入ってくるのは素敵な環境だと改めて思いました。
オージーENGLISHの洗礼
一緒に暮らすおじさんはもともと都市部で働く銀行マンだったこともあってか、きれいな英語で僕でも大体理解できました。ただ、その他の人たちの英語が本当にわからなかったです。
近くに住むおじさんの兄弟家族や友達とごはんを一緒に食べたり、仕事をする機会が頻繁にあるのですが、ゆっくり喋ってもらってギリギリ単語が拾えるって感じで、かなり苦労しました。友達→おじさん→僕、って感じで、おじさんが英語を英語で通訳してくれることが多かったです。まだまだ修業が足らないことを痛感しました。
なのでご飯会も会話についていくのがなかなか厳しく、アルゼンチンのおじさんがいる間は2人でずっとしゃべっていたりしました。やっぱり非ネイティブ同士の英語はお互いわかりやすいので、安心します。それじゃあダメなんですけどね。でも僕はこのアルゼンチンおじさんにいろんなことを教えてもらい、とても仲良くなりました。おじさんありがとう。
余暇活動
夕方とかは基本何もやることがないので、上でも書いたようにおじさんとひたすらNetflixを観ていることが多かったですが、それにも飽きたら農場をおじさんのバギーやオフロードバイクで駆け回っていました。
朝や夕方はカンガルーが出てきたりするので、バイクで追いかけっこして遊んでいました。カンガルーは怖かったでしょうね。ごめんね。
私有地なのでやりたい放題で、近所に住む親戚の子たちもまだ小学校低学年くらいですが、一緒にバイクをかっ飛ばしていました。この子たちは本当に楽しそうで、暇なときは馬に乗ってみたり、牛を追うのを手伝ってみたり、田舎の子育てって素敵。と思いました。
無給ってどうなの
やはりオーストラリアは時給が高いから、ガツガツ働きたいですよね。そんな中無給のボランティアワークなんてやってる場合じゃなくない?という方もいると思います。僕もそっちの派閥でした。でも仕事がないときや最初の準備期間は気楽にボランティアがいいかなと思い直しました。
来てすぐの準備期間や求職期間に最適
僕の場合はオーストラリアに来てすぐにこの農場に来ました。仕事を探したり、必要な手続きをしたりする間、バッパーにいようかとも思いましたが、宿代節約したかったし、シティで遊ぶよりも田舎暮らしをしてみたかったので。
そしてここでタックスファイルナンバー申請や履歴書づくりをしつつ、ネットで仕事探しをしました。さらには英語の練習もできて、まさに働く前の準備期間に最適でした。仕事はすぐに見つからない場合も多いので、落ち着いて探せる場所を無料で確保できるのはありがたいですよね。
僕は、無給ステイ中に仕事をゲットできたので、旅立つことにしました。ただ、ネットや電話が使えるかはしっかり確認するべきですね。僕はステイ先の家の中では電話の電波が入らなかったり、Netflixの観過ぎでWi-Fiが止まったりしたので、バイクで近所の丘の上まで行って電話面接を受けていました。
プライスレスおじさん
これも受け入れてくれる農家によるとは思いますが、僕のおじさんは買い物に行くときも、友達と御飯食べるときも僕を連れて行ってくれたので、たくさんおしゃべりできたし、おじさんの親戚や友達ともお話する機会がたくさんありました。オージーイングリッシュもたくさん浴びることができました。
それにオーストラリアの田舎のおじさんがどんな暮らしをして、何を楽しみに行きているかなんてなかなか知ることはできません。また薪の調達のめんどくささや、オフロードバイクをノーヘルでかっ飛ばす爽快さ、カンガルーの死体を食べてきた犬の口がいかに臭いかなど、ここでしかわからないことがたくさんあったと思います。
おじさんとの暮らしはお金にかえられない価値があったと言っておきましょう。wifi止まったときはすぐ出ていこうとも思いましたが。
まとめ
オーストラリアにワーホリに来たら、ガンガン働くのもいいですが、せっかくなら田舎にホームステイもしてみてはいかがでしょうか。英語の練習にもなるし、宿代の節約にもなるし、次の仕事や旅先を落ち着いて考えられると思います。そしてそれ以上に、オーストラリアの文化や暮らし、田舎での貴重な体験は僕たちの財産になるはずです。
一応きれいにまとめてみましたが、農家によっては地獄なところもあるし、素敵なおじさんに巡り会えても土日は全部フェンス張りで潰れる、とか辛い面もあります。農家にステイしにいったら監禁されそうになった、なんて話も聞いたことがあります。その辺は十分に気をつけたいですね。