コンドルが見たい!
コンドル。それは男のロマン。
鳥類最大の翼でアンデスの山々を優雅に越えていくその姿はもはや神々しくもあります。小学校で「コンドルは飛んでいく」を聞いて以来、コンドルに憧れた少年時代の僕よ。あれから十数年、ついにコンドルを探しに行くよ。
コンドルって何?
一般的にコンドルと言えばタカ目コンドル科に属する7種のうちの一種である、アンデスコンドル (または南米コンドル) のことを指します。
南米コンドル以外のコンドル科の6種は以下のようになります。
- カリフォルニアコンドル (カリフォルニアコンドル属)
- クロコンドル (クロコンドル属)
- トキイロコンドル (トキイロコンドル属)
- ヒメコンドル (ヒメコンドル属)
- キガシラコンドル (ヒメコンドル属)
- オオキガシラコンドル (ヒメコンドル属)
カリフォルニアコンドルとアンデスコンドルの2種が大型で体長100cm~140cm。英語でCondorと言えばこの2種類のことで、他の小型のコンドルは厳密にはvultureと呼ばれます。小型のコンドルは大体体長60~80cmサイズです。
カリフォルニアコンドル
黒い襟巻と凛々しい顔でシュッとした印象ですね。
クロコンドル
全身ほとんど黒い。そのままんまですね。北アメリカ南部から南アメリカに生息。
トキイロコンドル
オレンジ色の肉垂と赤いくちばしが特徴的。英語ではking vultureとキングの名をもらっています。基本的に目がイっちゃってるのがかわいいですね。
ヒメコンドル
赤い頭とピンクのクチバシがなんともガーリィですね。
コンドルの仲間は基本的に狩りはせず、死肉を食べます。だから人間様に嫌われて、数が減ってしまう原因にもなっていました。ハゲは死肉をつついて付着した細菌が繁殖しないように進化した結果だと言われています。
ちなみにタカ科のハゲワシも同じ理由でハゲています。このハゲワシとコンドルの仲間を総称した俗称が「ハゲタカ」ですね。なのでハゲタカという鳥はいません。以下の記事のまとめました。
どこで見られるの?
コンドル類はNew world vulture と言われるように、新大陸すなわち南北アメリカに生息します。中でもコンドルの中のコンドル、アンデスコンドルの分布はこんな感じらしい。
アンデス山脈に沿って分布していますね。コンドルは標高3,000 m~5,000 mの山地の切り立った崖に巣をつくって暮らします。なかなか険しい旅になりそうです。
そしてやはり見るなら、「コンドルが飛んでいく」の原産国ペルーがいい!そうだ、ペルーへ行こう。
何を隠そう、ペルーにはコンドルを間近で見られる隠れた名所があるのです。
それがここ、コルカ渓谷!
それではコルカ渓谷、行ってみましょう。
いざコルカ渓谷へ!
コルカ渓谷はペルー第二の街アレキパから北西へ100 kmほどの場所にあります。
というわけでまずは首都リマからアレキパへバス移動。ペルーはバスが発達しているのでかなり旅行しやすいはずです。「Cruz der sur」などのバス会社が有名ですね。
ちなみにアレキパは標高が2,400 mと低めなので、徐々に体を慣らすにもってこいです。
そしてコルカ渓谷の最寄街はアレキパからバスで数時間の「チバイ」か「カバナコンデ」です。チバイの方がやや大きな街で、カバナコンデの方がコルカ渓谷に近いです。お好みで。ちなみに僕はカバナコンデへ。チバイからコルカ渓谷を通ってカバナコンデに行く道は絶景ロードなのでぜひ。(行きは右側の座席に座りましょう。)
アレキパからは長距離バスターミナルに隣接するもう一つのバスターミナルからチバイ行きが一日5本くらい、カバナコンデ行きも何本かは出ています。(チバイからカバナコンデもたくさんあるので乗り換えでも大丈夫。)
アレキパーチバイもチバイーカバナコンデも約2時間半。夕方にはカバナコンデにつきました。小さい街なので宿も簡単に見つかります。なんならバス停に客引きのおばちゃんいます。
念願のコンドルにご対面
翌朝、チバイ行のバスに乗ってコンドルポイントへ!バスの運転手さんにコンドルアピールしとけば安心です。
そして到着!!(入り口で70ソル払います。ここら辺のおじちゃんと仲良くして帰りのバスを教えてもらいましょう)
これがグランドキャニオンより深いと言われるコルカ渓谷。3000 m以上の深さらしい。
そしてコンドルが現れるのを待つこと30分。
ついにご対面の瞬間。
なんか飛んできた!
コンドルのつがいが現れました!コンドルは50年近く生きると言われ、生涯を通して同じパートナーと暮らすそうです。ロマンチックです。
ここにはこのコンドルたちの巣があるそうで、2羽のコンドルが飛び立っては戻ってきます。頭の中では「コンドルは飛んでいく」のケーナの笛の音がループします。
小一時間コンドルを堪能して帰るころにはこんな感じに。
観光客は少なめですが、近所のおばちゃんたちがお土産を広げて待っています。ツアー客がどっとくる日もあるみたいですね。田舎ではお値段の安めなことも多いので見てみてもいいかもしれません。
帰りはチバイ行のバスに乗ってきた道を帰りました。
注意点
大満足のコンドル旅ですが、標高がかなり高いので高山病には注意です。「ダイアモックス」などの高山病薬を日本か、現地の薬局で手に入れたり、アレキパなどの標高が低めなところで徐々に体を慣らしたりするといいかもしれません。
僕は必ず高山病になりますが、いつもノーガードでいって二日くらい動けなくなります。今回もカバナコンデで激しい頭痛に襲われ、なんとかコンドルを見て、チバイでもう一日寝込みました。まあもう慣れました。つらいけど。
(2017年 3月)