【ベトナム動物旅】クックフォン国立公園のサル保護センターで絶滅危惧種のラングールたちに出会う。
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ベトナム最古の国立公園であるクックフォン国立公園では手付かずの自然を味わえるだけでなく、絶滅の危機に瀕する希少な動物の保護センターを見学できます。保護センターは大きく、センザンコウ&食肉目、霊長類、カメの3つに別れています。今回はそのうち霊長類保護センターについてご紹介します。

 

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霊長類保護センター

この保護センターはEndangered Primate Rescue Center通称、EPRCと呼ばれています。絶滅の恐れのある霊長類を保護するために1993年に設立されました。設立は海外の団体によって支援され、特のドイツのZoological Society for the Conservation of Species and Populations と Frankfurt Zoological Society の2つの機関が直接的に関わったそうです。その他にも欧米やオセアニアの動物園等とも協力体制にあり、外国人の獣医師やスタッフも働いています。

 

ゲートはこんな感じ。他の保護センターも近くにあります。ちなみにクックフォン国立公園内の動物保護センターはどこもガイド同伴でないと観光客は入れませんのでご注意を。

 

 

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保護されていたサルたち

ベトナムにはテナガザルやオナガザルがたくさん住んでいますが、ベトナム戦争やそれに続く都市開発などの影響を受け、生息地は減少してきました。もちろん現在でもその流れは止まらず、かなり個体数が少ない種もいます。違法に捕獲されていたサルなどが保護センターに運ばれ、野生に帰る手助けを受けています。

 

デラクールラングール

ベトナムの珍しいサルといえばこれかもしれません。腰からももにかけての模様が白いパンツをはいているように見えるのでWhite shorts ラングールと俗称されたりします。こんなに珍しいサルに会えたのに写真はボケています!

 

現在はベトナムのチャンアン近郊にのみ生息しています(分布は下の図)。個体数は250頭以下と言われており、サルの仲間の中では最も絶滅に近い種のひとつです。絶滅の危機に瀕する世界のサル25種に含まれています。

 

Chermundy. 2010. Delacour's Langur (Trachypithecus delacouri) range. CC BY-SA

 

 

ゴールデンヘデッドラングール

デラクールラングールよりもさらに個体数が少ないサルです。種としてはWhite-headed langurですが、その亜種でゴールデンヘッドラングールと呼ばれるサルです。頭が金色の毛で覆われています。そのままですね。

 

ベトナムと中国の国境付近にのみ生息し(分布は下の図)、個体数は60-70頭と推定されています。かなり少ないですね。デラクールラングールと同じく絶滅の危機に瀕する世界のサル25に含まれています。

 

 

 

キタホオジロテナガザル

ラングール (オナガザル)ではなくテナガザルの仲間です。英名はNorthern white-cheeked gibbonです。オスは黒い体で頬の毛が白いため、ホオジロテナガザルと呼ばれますが、メスは金色です。写真はメスです。

 

ちなみにオスはこれ。

 

 

 

ベトナムにはキホオテナガザル (Yellow-cheeked gibbon)という同じ属に属するサルもいて、正直僕には見分けはつきませんが、ガイドさんはWhite-cheekedと行っていたので信じましょう。個体数は500頭に満たないと言われており、こちらも絶滅の危機に瀕する種です。

 

 

 

元気になった個体は野生に帰す前段階として、管理された森でしばらく生活させているそうで、元気に木の上を歩き回っている様子も見ることができました。

 

ドゥクラングール

英名はRed-shanked doucでアカアシドゥクラングールと呼ばれたり、5色の体毛をもつことからFive color langurと呼ばれたりします。とてもキレイなラングールでサルの女王なんて呼び名もあるみたいです。もちろん僕の写真では魅力がお伝えできないので、ぜひ検索してみてください!

 

 

脚が赤っぽいのがギリギリわかりますでしょうか。ドゥクラングールは。上の3つの種よりは生息地も広く、個体数もやや多いですが、やはり絶滅の危機にさらされている種です。日本では横浜のズーラシアで飼育されています。

 

 

 

まとめ

絶滅危惧種のサルがたくさん保護されているのを見ることができました。ドゥクラングール以外は日本の動物園では見ることができないので、テンションが上りました。しかしながらここは保護施設で、ここにいるサルたちは密猟者などから保護されたものです。サルを見てただ喜ぶのではなく、密猟や保護活動について学び、考える機会にしないといけないと思います。ちなみにサル保護Tシャツなども販売してますので、保護活動の応援兼、お土産にどうぞ。

 

ここで紹介したサル以外にも数種のサルがいました。気になる方はぜひEPRCの活動を調べてみてください。

 

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