【狂犬病】発症したら死ぬ?狂犬病のワクチンや症状、対策を解説!
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この記事では人の狂犬病対策について紹介します。ワンちゃんの予防接種の話は別の記事で。

狂犬病とは

発展途上国に旅行に行く人が気をつけるべき病気の1つが「狂犬病」です。実際に犬に噛まれて急遽ワクチン接種をした、という方も周りにいらっしゃいます。狂犬病は日本やオーストラリア、ニュージーランド、アイスランドなど一部の地域を除く、世界のあらゆる地域で発生しています。(下図出展:厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html)

狂犬病はラブドウイルス科の狂犬病ウイルスによって引き起こされ、人が発症すれば致死率はほぼ100%です。助かった例もごくわずかにありますが、非常に幸運な例です。死亡者数は年間5万5千人と言われています。

ご存知の通り、この病気は狂犬病ウイルスに感染したイヌに噛まれることで人に感染します。実はイヌだけでなく、ネコやコウモリなども持っていますので注意しましょう。後述します。

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狂犬病の病態

症状と特徴

狂犬病ウイルスは傷口から人の組織に侵入し、神経に入ります。そして神経を脳に向かって上っていきます。脳に到達すると増殖をはじめ、脳細胞を破壊して人を死に至らしめます。発症した人は強い不安感、一時的な錯乱、水を怖がる(恐水症)、高熱、麻痺、全身けいれんなどを示し、その後、呼吸障害等の症状を示し死亡します。脳に到達するまではウイルスは増えてこないため、症状はなく、この時点でワクチンを打つことで発症を防げます。逆に発症するまではウイルスを検出できないため、噛まれた人が感染しているかは検査できません。

 

  • 噛まれてからでも脳に到達するまでにワクチンを打てば助かる場合が多い
  • 噛まれても感染の有無はわからず、心配ならワクチンを打つしかない。

 

また、噛まれれも出血がなかったり、皮下組織まで傷が届いてなければ感染はせず、逆に噛まれなくても傷口に唾液が入ったら感染します。人から人への輸血などでは感染の報告はありません。

 

噛まれてからどれくらいで発症する?

一般的には発症までに1ヶ月から3ヶ月ほどと言われています。中には1年以上かかったという例や、もっと短い例もあるのであくまで目安です。

発症までの時間は噛まれた部位やワクチン接種歴に影響を受けます。噛まれた部位が脳から遠ければ遠いほど、発症までには時間がかかると考えられ、以前にワクチンを接種したことがあれば、発症を完全に防げなくても発症までの期間を伸ばすことができると言われています。

狂犬病対策

海外旅行にワクチンは必要?何回?

狂犬病は上記のようにワクチンが有効です。しっかりと抗体を誘導するためには3回の接種が必要です。一般的に最初の接種から1ヶ月後に2回目、その6ヶ月後に3回目を接種し、その後も1年に1回接種することで抗体を維持できると言われています。しかし、3回打っているから噛まれても放っておいて大丈夫というわけではなく、この場合にも噛まれた後には2回のワクチン接種が必要です。発症したら死ぬので慎重になるのは当然です。対してワクチンを接種していない、または1回か2回しか接種していないのに噛まれた、という場合にはその後、6回の接種が必要です (初回のワクチン接種日を0日として、3日、7日、14日、30日及び90日の計6回)。※日本の場合です。

 

  • 事前に3回接種&最後の接種から6ヶ月以内
    • 噛まれたあとに2回の追加接種が必要
    • 発症するリスクは低くなり、発症までの期間も延長する
  • 事前に1回、2回接種もしくは3回目接種から6ヶ月経過
    • 噛まれたら6回のワクチン接種が必要
    • 発症までの期間はワクチン回数が多いほうが延長すると考えられる。(病院にはすぐに行きましょう)
  • 事前にワクチンなし
    • 噛まれたら6回のワクチン接種が必要
    • 噛まれたらすぐに病院へいく必要あり。

 

 

病院までのアクセスが困難な人や噛まれるリスクが高い人はしっかり3回摂取するべきだと思います。ただ費用も一回1万円以上かかるので、普通の旅行をする人はあまり打っていないのが現状だと思います。噛まれたらしっかり病院にいくことが前提ですが。

ただ、噛んだイヌを観察できれば、このイヌがその後ピンピンしていれば、暴露後の接種はやめて大丈夫です。WHOのガイドラインでも言われています。

噛まれないために

動物に近づかないことがまず大切です。狂犬病はイヌだけでなく、ネコやコウモリや野生動物も宿主となります。なのでネコだから安心と野良ネコを撫で回さないように!

 

しかし、ほとんどのケースではイヌから人に感染しています。そのためイヌは特に警戒する必要があります。狂犬病を発症しているイヌとそうでないイヌは見分けが難しいです。狂犬と言っていますが、感染したら必ずしも凶暴になるわけではなく、元気がなくなるものもいるからです。教科書的には狂騒型が7割、麻痺型は3割と言われています。まあしょんぼりしたイヌにちょっかいかけて噛まれた、なんて人はもう知りません。ちなみに麻痺型は後半身から麻痺するため、足腰の立たないイヌがいたら一応気をつけましょう。

 

噛まれたけど、このイヌなら大丈夫そう?

大体の人は元気イヌに噛まれたけど、これが狂犬病のせいなのか、ただの元気なイヌなのかどっちなんだ!というケースで悩まれるでしょう。まあ病院に行くのが一番です。命を失っても病院にいけない事情がある、そんなアンダーグラウンドを生きるあなたのために、判断基準をアドバイスするとしたら、「噛んだイヌが10日後も元気に生きている」場合、これは狂犬病を発症していません。ただ、野良イヌを観察し続けるのは厳しいですね。また狂犬病を発症して凶暴になっているイヌは絶えず吠え続けていることが多く、よだれを垂れ流しています。

 

  • ずっと吠えている落ち着きのないイヌに噛まれた。(ヤバイ度1)
  • イヌをよく見るとよだれダラダラ (ヤバイ度2)
  • イヌが水を怖がっている (ヤバイ度3)
  • 数日後イヌが死んでいた。(驚きのヤバさ)

 

です。もう一度言いますがイヌを観察している暇があったら病院に行きましょう。

まとめ

  • 海外旅行時には不用意にイヌやネコに近づかない。
  • 発展途上国でイヌに噛まれたときには病院へ。
  • 病院がないところへ冒険しに行く人はワクチンを接種してから行きましょう。

以上です、海外旅行は危険がいっぱいです。日本ではない病気もたくさんあるので事前にしっかりチェックしましょう。

 

 

 

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