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巷にあふれる「大学生のうちにやるべきこと」
大学に入ったばかりのころ、何をやったらいいんだろうと考えていた僕に、周りの先輩やらは優しくこんな風にアドバイスしてくれました。
こんなことみなさんも聞いたとあると思います。
巷には「大学生のうちにやるべきこと」「20代のうちにやらないと損すこと」などの情報があふれています。確かに時間のある大学生はいろいろなことができます。僕自身も大学生がしてそうなことを一通りやってみましたので、ここではその感想とせっかくなので一般的獣医学生の雰囲気をご紹介します。
「大学生がやるべきこと」で紹介されがちなものレビュー
①海外一人旅 ☆☆☆
適した人種
◆時間があって、人とは違うなにかおもしろいことがしたい人
◆そろそろ大学生活もマンネリしてきたなーとぼんやり思ってる人
一人で知らない土地に行くのは修行のような要素があり、漠然と己を鍛えたいと思ってる大学生にはもってこいです。でも、あくまで旅行です。留学とかインターンとかみたいになんかキャリアに役立つスキルや人脈が得られるかっていうと正直微妙です。
メリット:価値観変わるは言い過ぎかもしれないが、視野は広がる。自分はひとりでどこにでもいける、というなぞの自信がつき、積極的になれる。旅慣れしてる男ってなんかかっこいい気がする。
デメリット:長期休みがガッツリつぶれる。ぽっかり何日も日本を離れるため継続的に打ち込んでいるものがある人には不向き。将来役立つスキルが得られるわけではない。あくまで余暇活動。普通に危険がいっぱい。
獣医学生事情
一人旅をしている人はちらほらいますが、やはり少ないでしょうか。僕にはそういった仲間はいません。旅先で早稲田大学なんかの一人旅サークルの話とか聞くとうらやましかったです。獣医学部でも長期休みはガッツリあるので長期旅行も十分できます。ただ僕の大学ではほぼ毎夏休みに合宿形式の実習があるので、予定を立てにくかったです。春休みに実習があるところはあまり聞かないのでそっちは大丈夫そう。
②留学 ☆☆☆
適する人種 わりとみんな
やはり異文化を経験することは人生を豊かにすると思います。迷っているなら行くべきだと思います。語学留学もいいですが、学部レベルの交換留学ならお金を補助してもらえることも多く、得るもの大きいように感じます。
メリット:視野が広がる。自信がつく。勉強になる。
デメリット:日本でやれることは犠牲になる。お金がかかることもある。卒業が遅れる場合もある。
獣医学生事情
僕の周りでは低学年のころは語学留学に行っている人もちらほらいました。ただ語学留学では奨学金(もらえるやつ)が出ないことがほとんどなので、厳しい面もあります。高学年になれば交換留学のプログラムや研修プログラムがあって、お金をもらって海外の獣医学部で勉強できるチャンスがあったりします。これも大学によって充実度は違ってやはり規模の大きな国立大学の方が行きやすそうです。全員に門戸が開かれているのは最近はやりの「トビタテ」プログラムでしょうか。僕の周りにもこれを使って自分の好きな動物の研究所で勉強した人がいます。
③サークルに所属する ☆
適する人種
◆交友関係や友情に価値を置く人
◆大学生らしい青春を謳歌したい人&恋人ほしいマン
交友関係が広がって、気の合う友人を見つけられるのがサークルのいいところです。ただ気軽に入っても、そのうち運営などに関わらなければならなくなり、予想外に時間をとられることもあります。
メリット:いろんな人と関わって、いろんな考え方にふれられる。友達が増える。大学生っぽい遊びができる。男女の出会いの場になる。居場所が複数あった方が精神的に安定する。就活などに役立つ人脈が得られるかも。
デメリット:大体どこのサークルも人間関係でごにょごにょする。活動内容自体に打ち込めないと楽しいけど中身のない時間になる。
獣医学生事情
低学年 (1~4年) のうちは時間的にも余裕があるので十分サークル活動や部活動に励むことができます。僕の大学の場合は獣医学部の中にもスポーツ系のサークルがあるのでそれに参加している人もいます。獣医学部は引きこもりがち、よく言えば結束が強くて獣医学部内で完結できるため外のサークルに入らずとも楽しめますが、僕の周りでは8割くらいの人はなんらかのサークルに入っていました。
※小さな大学ではサークル自体がなく、ほぼ部活のみという学校もあるので獣医志望の中高生は、その辺もチェックしましょう。
④英語やその他語学の勉強をする ☆
適する人種
◆将来英語を使って何かをしたいというビジョンがある人
◆検定や資格マニアの人
英語学習はとりあえず、自分のためになりそうなので時間があるときにやってしまいがちですが、本当に必要かはよく考えましょう。何もしないよりはるかにマシですが、安易にTOEICに飛びつかず、自分の将来のためになる投資をしましょう。留学や海外進出したいならTOEFLやIELTSの勉強の方がいいですしね。
メリット:昨今の国際化が進む社会では英語が求められる機会が多いらしいので、キャリアに役立つ。実用的なスキルが身につく。就活でもアドバンテージに?
デメリット:時間がかかる。必要ないならこの時間でもっと専門分野の勉強をした方がいいかも。
獣医学生事情
獣医学生の英語力はピンきりです。一か月の勉強でTOEIC900を超える人もいれば、500点いかない人もいます。僕の大学では英語の授業は2年次以降ありませんでした。ただ論文を読んだり、留学生と話したりするのに英語は必要です。研究室の自分の指導教官が外国人ってこともあります。で結局みんなそれなりには英語が使えるようになります。
獣医学部は変態も多いので、自分の好きな映画ヒロインのセリフを全部暗唱できるまで聞き込んで、英語力が飛躍的に上がったとかってやつもいました。
⑤恋愛 ☆☆
適する人種:みんな
恋愛は人を成長させてくれる、という意見には同意します。異性の考え方を知るのもおもしろいです。大学時代に結婚相手を見つける人も少なからずいるわけで、人生設計によっては手を抜けないところです。ただ、恋愛は使うエネルギーも大きいですよね。恋に恋するのはやめましょう。
メリット:異性の考え方がわかる、恋愛エピソードはみんなの大好物、自分の正確や未熟な部分が見える。人生に深みが出る。
デメリット:精神状態が左右される。時間的にも精神的にも負担が大きい。人間関係のごたごたに巻き込まれる。
獣医学生事情
人数が少ない割に学部内で付き合っている人は多めな気がします。変わり者同士気が合うんですかね。そして狭い世界なのでもちろんゴタゴタします。そしてこの手の話は学部全員で共有されて確実にいじられますね。2、3年生になると女子には大体彼氏がいるようになったりします。どこで見つけてくるんだか。まあ大学によりますが、男子の割合が高いところも多いので、そういった関係でしょうか。
⑥アルバイト ☆
適する人種:みんな
バイトに時間を使うのは賛否両論ですが、働く経験はした方がいいと個人的には思います。これも勉強です。バイトに夢中になるのは学生の本分からは外れてしまいますけど。僕もいろいろな現場でこき使われました。そして忍耐と「絶対お前らよりいい暮らししてやるからな」という黒い野心を身につけたわけですね。
メリット:社会経験。お金を稼ぐってことがどういうことかを知る。お金もらえる。
デメリット:のめりこみ過ぎても得るものは少ない。時間がとられる。
獣医学生事情
獣医学生も大半はアルバイトしてます。やはり多いのは塾講師や家庭教師。次が飲食系ですかね。まあこの辺は一般的な大学生と大差なさそうです。畜産が盛んなところでは牧場バイトも多いです。帯広畜産大学さんなんかでは搾乳バイトは結構メジャーなバイトだそうです。それっぽいやつで言えばアニマルカフェみたいなところでバイトしている人もいましたね。やはり獣医学部だというと採用されやすいのでしょうか。
⑦映画、漫画、小説をたしなむ☆
大学生はサブカル趣味にはまりがち。もしくははまろうとしがち。本当にサブかる好きなやつは本当に楽しそうで尊敬してます。しかし、「暇だから漫画読もう」程度ならもっとほかのことをしましょう。
メリット:いろんな作品を知ることで人生に深みが出る?誰もが知る名作を知っておけば、いろんな人と話が通じる。
デメリット:まあ娯楽の一種。意味もなくたくさん見ても得られるものは少ない。
獣医学生事情
獣医学生だから、どうってのはないと思います。まあこれも大学生なら映画観賞しろとかってブログも見ますけど、個人的には大学生だからってやる必要はないと思います。社会に出てからも好きな人は見続けるだろうし。映画研究会で映画作ってるやつは楽しそうでした。エキストラで出させてもらったりもしました。
⑧新しい趣味に手を出す ☆☆☆
適する人種:なんかひまだなーって人。今やってることに飽きてきた人
時間があるときには新しいことに挑戦してみましょう。
メリット:自分の新たな可能性に気付ける。生涯の楽しみなる可能性も。新しいコミュニティーが得られる
デメリット:お金がかかるものもある。施設がそろっている都会じゃないと難しいものもある。
獣医学生事情
かなり漠然としたテーマで申し訳ないんですが、獣医学生はやっぱり変なことしてるやつも多めです。やる気さえあれば何でもできるんだなあと感心します。北の果ての国立公園で住み込みインターンしてたり、南の島でウミガメの調査に参加していたり、やっぱり好きなことに情熱を燃やすのが「大学生のすべきこと」だと思います。
動物が好きならぜひ獣医学部へ。動物に情熱を燃やすチャンスはいっぱいあるはずです。
⑨みんなで飲み会 ☆☆☆
適する人種 みんな
やはり人付き合いは大事。みんなの飲み会には出席した方が楽しくなると思います。しかしやり過ぎても得られるものは少ないですよね。
メリット:楽しい。みんなと仲良くなる。
デメリット:時間の無駄な会の存在。お金かかる。
獣医学生事情
ご想像通り、獣医学部はよく飲みます。僕らの学年はテストの度に打ち上げをしましたし、学部でのイベントも多かったです。ですが最近はどこもそうですが、無理に飲ませたりということはありませんね。勝手に荒れます。どこの学校、学年も同じでしょう。
国立大では人数が少なく、先輩後輩との距離も近いのでよく飲みにつれていってもらえるでしょう。ただ獣医学部はやはり体育会系な感じなので、飲みの席では後輩は働きますね。
まとめ
結局は自分の頭で、何をやるべきかを考え、思いついたことはバシバシ行動に移していくのが重要です。でもやっぱり周りの人の考えには影響されがちです。
獣医学部では似たように動物に情熱を燃やす人や、とがった人が多く、自分もたくさん刺激をもらえます。自分らしい大学生活にするために、よく考え、よく試していきたいですね。