【ゾウの雑学】知らなかった!ゾウの体の不思議~遺伝子、歯、耳の雑学。
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みんな大好きゾウさん

動物園の人気者、ゾウさん。大きくてお鼻が長くってかっこいいですよね。ゾウはとても頭の良い動物で特にアジアゾウは人に慣れることから、古くから人と密接に関わってきました。

ゾウの研究はよく進んでいて、ゾウさん情報は比較的よく知られています。みなさんも「ゾウは葬式をする」とか聞いたことがあるのではないでしょうか。これも実際に死んだゾウの周りに集まって体をなでたり、花を供えたりする姿が目撃されているそうです。

今回はそんなゾウの豆知識のうち、獣医学的におもしろいと感じたものを僕の独断と偏見で選抜し、紹介したいと思います。

ゾウ雑学① 「ゾウはがんにならない」

ゾウは寿命が長いことはよく知られていて、飼育下では60歳や70歳まで生きると個体もいます。ヒトの寿命に迫るくらいですね。ちなみにそんなヒトの死因でどんどん増えているのが「がん」です。日本人の死因第1位もこれですね。もちろん動物もがんになります。近年はペットも長寿命化しており、がんで動物病院にこられるワンちゃん、ネコちゃんもたくさんいます。

ところが、ゾウはがんにならないのです。なぜか?これを調べるためにゾウの遺伝子を調べた研究があります。曰く、ゾウには「がん抑制遺伝子」と呼ばれる、細胞のがん化やがんの増殖を抑える遺伝子が他の動物よりたくさん存在していたのです。

ではどんな理由でゾウは死んでしまうのか。次のトピックに移りましょう。

ゾウ雑学② ゾウは歯のストックを使い切ると餓死する

ちょっと意味がわからないかもしれません。説明します。

ゾウの歯の生え換わり方はとてもユニークで、僕たちの歯は下から上に、垂直に生え換わるのに対し、ゾウの歯は奥から前に、水平に生え換わります。どういうことかというと、ゾウは奥の歯のさらに奥に、新しい歯をストックしていて、年齢を重ねるにつれてその新しい歯がだんだん前に出てくるのです。歯のストック数は決まっていて生涯で上下左右、各6本ずつの歯を使用します。

下の図は若いゾウの歯を前から撮ったもの。上下左右に2本ずつ大きな歯があります。

赤ちゃんゾウのときには第一臼歯、第二臼歯を使っていますが、だんだんと歯がすり減ってくるにつれて奥から第三臼歯が出てきて、第一臼歯は折れるか、抜けるかしてなくなります。それを繰り返し、60歳くらいになると最後の第六臼歯もすり減ってきて、柔らかいものしか食べられなくなり、ゾウによっては最後の歯もなくなって食事ができず、餓死することもあります。ゾウが水辺で死んでいるのは、やわらかい食べ物を探してたどり着いた結果だと考えられており、これがよく聞く「ゾウの墓場伝説」のもとになっていると言われています。

下の図は老いたゾウの歯。かなりすり減っていて、上下左右に一本ずつしかありません。

ちなみにその他のゾウの死因としては、呼吸器疾患などがあります。肺炎などもこれに当たります。ゾウには天敵はいませんが、ゾウ結核などの病気があり、これによって命を落とすゾウもいます。また、足を怪我したことで起き上がれなくなり、重い体重に肺が押しつぶされて呼吸不全になるというケースもあります。ゾウの感染症については以下の記事で。

 

ゾウ雑学③ ゾウの年齢は耳のローリング感で推定できる

ゾウさんの年齢ってわかりにくい。仔ゾウの頃は小さいから「あ、赤ちゃんいるな」とわかりますが、若ゾウから老ゾウはみんなでかくてよくわからん!寿命も長いからなおさらで、コンパに来ても「あ、このゾウはアラサーっぽいからいけるけど、こっちはアラフォーだから守備範囲外」とかって判断できませんよね。

そこで使うのが耳ローリング感推定法です。(アジアゾウ限定)

赤枠を御覧ください。耳の縁が外側にクルッとローリングしていますね。これが歳をとってくるとローリング度が上がってくるそうです。

ちなみにこれはタイの象使いさんから教えてもらった技なので、学術的な信頼度はあやしいところがありますが、彼らが言うならそうなのでしょう。ちなみに画像の象は20~30歳ということです。

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まとめ

ゾウ雑学いかがだったでしょうか。この他にもゾウには豆知識がいっぱいあります。やっぱりゾウさんはおもしろいですね。今度動物園に言ったらこの雑学を思い出してみてください。そしてみなさんのゾウ愛がもう一歩深まれば幸いです。

お付き合いありがとうございました。

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