[働く動物] ヨルダン、ペトラ遺跡ではロバやラバ、ラクダが大活躍
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中東ってどんな感じかなーと、とりあえずヨルダンに来た僕は動物を探しつつブラブラしていたわけですが、やっぱりこの辺りで野生動物に遭遇するのはなかなか難しそうでした。荒野ばっかりだしね。ということで今回は動物探しを諦めて観光客らしく、ヨルダンで一番有名な世界遺産観光地「ペトラ遺跡」を目指しました。インディ・ジョーンズ最後の聖戦の撮影にも使われた場所です。そこでは観光業に携わる動物さんたちがたくさん働いていました。

 

まずは首都アンマンからペトラ遺跡へ

ペトラ遺跡へはアンマンの南にあるバスターミナルから乗り合いバンで行きました。まあ一大観光地なので行き方はちょっと調べれば簡単にわかります。

 

アンマンのダウンタウン。メイン通りはかなりきれいで都会的です。

 

アンマン城からアンマン市街を一望。白い石壁が異国に来たなって感じですね。

さて、それではペトラ遺跡に行ってみましょう!!

 

 

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ペトラ遺跡へ

3時間ほどでペトラについたら、宿に荷物を置いて早速ペトラ遺跡へ入場。遺跡の入り口でロバにまたがった少年が近づいてきました。ロバってかわいいですよね~。ノリで会話していたらポストカードをくれました。ありがとう。

 

そしていざ遺跡へ。大きな岩の隙間に続く道を歩いていきます。溢れ出すインディ・ジョーンズ感に心が踊ります。振り返ってみてもこのときが一番興奮しました

 

そしてこれが有名な「エル・カズネ」。宝物殿です。

迫力あります。

...よし!遺跡関係はこんなもんでいいですかね。大体こんな感じですよ。ということでここからはペトラの動物たちを追いかけ回してきました。

 

ペトラの動物たち

ラクダ

ラクダは砂漠の遊牧民ベドウィンたちの大切な家畜ですね。ペトラにも以前はベドウィンの遊牧地でしたが、世界遺産に指定されてからは居住はできなくなり、遺跡で働くベドウィンたちは遺跡の近くに定住しているらしいです。これも近代化ってやつでしょうか。

 

ペトラではそんはベドウィンのみなさんが観光客相手にラクダに揺られて観光できるサービスを提供しており、遺跡内にラクダがいっぱいいます。ラクダって馴染みがある動物なようで、あまりまじまじと見る機会がなかったので、しばらくラクダ観察をしていました。

ほ~う。そのタイプね~。牛さんタイプですね。ラクダはウシやブタと同じ偶蹄類で、ウシのように反芻する動物です。ブタは反芻しないので、ラクダはウシに近いと考えてしまいがちですが、近年の遺伝子解析で、ウシとブタが進化で別れるより前に、彼らの共通祖先からラクダの祖先が別れていったことが判明しております。つまりラクダとウシよりも、ブタとウシの方が近い分類なんです。おもしろいですね。

 

馬・ロバ・ラバ

人や荷物を運ぶ手段として、ラクダと同じく重宝されるのが馬の仲間たちです。ロバは馬よりもパワーは少ないですが、過酷な環境への耐性が強く、タフなやつです。さっきの少年が乗っていたやつがロバです。またペトラの端っこの方に行くと、ベドウィンが普通に暮らしていて、ロバも観光関係ない通常業務を行っていたりします。驚いたのはコレ

ロバの単独自立労働。周りに飼い主がいないのに、ひとりで荷物を運ぶロバ。追跡しましたが、人は現れず、どんどん進んでいきました。ただ思うがままうろうろしている可能性もありますが、人がいなくても荷物を目的地に運んでいるなら、感動です。ロバのこのなんとも言えない健気な感じが愛おしいですよね。

 

そしてラバはオスのロバとメスのウマのハイブリッドで、両者いいところを合わせ持った動物です。ただ繁殖能力はなく、ラバ同士で交尾しても妊娠できないと言われています。この辺はおそらく染色体数とかが関係しているんでしょうね。トラとライオンのハイブリッドであるライガーなども同様ですよね。これはラバかな?

ロバかもしれません。ロバにしてはスラっとしている気もします。んーでもロバかも。ちなみにこの画像のロバは盛ってメスを追い回してフラれていました。

 

ちなみにライガーはコレ。

Liger. Novosibirsk Zoo.(Public domain)

 

 

本来ライオンはアフリカ、トラはユーラシアの生き物なので交わることはありませんが、人為的に交配させるとこどもが生まれるんですね。しかし、ライガーは先天的な疾患をもつことが多く、6歳までにほとんどが死んでしまいます。無事に大人になってもオスは全く繁殖力をもちません。メスはまれにトラ、もしくはライオンとの間に子を作ることができるそうですが、その子も繁殖できないため、自然界では増えることはありません。ラバはライガーに比べれば、繁殖力はないもの先天疾患等は少ないはずです。

 

羊・ヤギ

これは普通にベドウィンたちの家畜動物ですね。ペトラの外れの方に行くと、放牧されていました。ヤギかな?羊かな?遠くてしっかり見えまえんでしたが、放牧されていますね。

こっちはヤギ。分かりづらいかもしれませんが、断崖絶壁に立っています。

ヤギや羊などの反芻獣は胃を4つ持っていることは有名ですね。こいつらは一番目の大きな胃で食べ物を口に戻したり、飲み込んだりを繰り返しながら草を発酵させて、栄養分を効率よく吸収します。そのため食べ物が少ない過酷な環境でも生きられるんですね。彼らは地球上で最も繁栄している哺乳類のグループと言ってもいいかもしれません。

 

トカゲ

うろうろしているとトカゲを発見しました。こいつらも砂漠から森林までいろんなところにいますね~。

アガマトカゲの仲間かな?とも思いましたが、トカゲ類は勉強不足でよくわかりませんでした。修行不足です。

 

ペトラでは動物が虐待されている?

2018年にペトラの動物労働を問題視する動物愛護団体が声を上げました。この「Peta」という団体はペトラでは観光客向けにラクダやロバなどの1300頭の動物が過酷な労働を強いられ、灼熱の岩山でムチに叩かれて苦しんでいる、と指摘しました。動物労働を廃止し、車などが導入されるまでペトラに行かないようにしようと観光客向けに発信したそうです。

 

車に対してはユネスコも否定的で、今後も動物たちが主役になるとは思いますが、動物福祉的な観点はやはり必要になりますよね。このご時世では特に。ヨルダン政府や地元の団体も動物の労働環境改善には取り組んでいますが、動物たちの労働が現地の人の収入源になっている以上、ここの摩擦は避けられないでしょう。

 

人の社会と動物の正しい関係を模索していくのはこの先ずっと続く課題ですね。

 

まとめ

と、まあペトラ遺跡の記事と見せかけて、珍しくもなんともない家畜を紹介しました。ですが家畜は人間と古くから深い関係があって、しっかりと人の文化に溶け込んでいます。そういう目で家畜を見ていると、なんともいえない愛おしさがこみ上げてきますよね!

 

愛すべき家畜動物と人とのよりよい関係を模索していきたいですね。

 

 

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