獣医学部って楽しい!?獣医学部に入ってよかったこと&つらかったことまとめ
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獣医学部に興味があるけど、勉強は大変そうだし、動物を殺さなきゃいけないこともあるって聞くと不安。そんなあなたにお届けしたい、獣医学部のよろこびとかなしみをまとめてみました。大学ごとでカリキュラムには差があり、必ずしも獣医学生全員が体験することではありません。あくまで僕個人の体験に基づいてご紹介します。

 

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楽しいこと&つらいこと

まずは身の回周りの獣医学生に聞ききこみをして得られた意見をあげてみます。

 

楽しかったこと

 

  • 動物にたくさん触れる
  • 獣医学部でしかできないレアな体験がたくさんできる
  • みんなで実習に行くのが楽しい
  • 少人数の学部なので人のつながりが強い
  • 飲み会やイベントが楽しい
  • 人生で初めて友達ができた
  • 夢に向かって勉強できる充実感

 

つらかったこと

 

  • テストのストレスが尋常ではない
  • 研究室が地獄だった
  • 実習が多い&長い
  • せまいコミュニティが息苦しかった
  • 子牛から下痢をもらって死にそうになった
  • 進路に希望がもてない
  • 2留した

 

まとめ

これらの意見をまとめると、楽しいつらいは個々人の受け取り方によるものだということがわかりますが、獣医学部の特徴も見えてきます。例えば、実習が充実している、学部内の人間関係が濃い、動物と触れ合う貴重な体験ができる、などでしょうか。

 

ここで見えてきた獣医学部の「愛すべき」特徴を僕個人の見解でまとめてきたいと思います。

 

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獣医学部の愛すべき特徴

いやになるほど充実した実習

実習は獣医学部の醍醐味の一つです。実験室で実験をするタイプのものもあれば、解剖室や農場に連れて行かれるものや、合宿するタイプの実習なんかもあり、低学年から手を変え品を変え、さまざまな実習に駆り出されます。

 

僕が体験した野外実習のうち、一部をご紹介するとこんな感じ。

 

  • 搾乳実習~搾乳の流れを実技でテストされました。
  • 削蹄練習~牛の爪切りの練習。なかなかハード。
  • 仔牛の捕獲練習~検診のために仔牛を捕まえて寝かせる練習。
  • 採精実習~興奮した牛の脇腹に潜り込む荒行。
  • 直腸検査実習~牛のお尻に手を突っ込むあれです。
  • 分娩管理~あんなに勢いよく仔牛が飛び出すとはね。
  • 畜産関連施設の見学~社会科見学ですね。

 

 

他にも羊さんと戦ったり、お馬さんの歯を磨いたりと他の動物に関する実習もあります。もちろん高学年になれば数週間の病院実習もあります。やはり獣医学部でしか体験できない動物との濃密な触れ合いができることは間違いありません。

 

ときには長時間に渡る実習や、くっさい場所での実習もありまが、みんなでわいわい実習するのはとても楽しく、実習に合間の自由時間も含めてとてもいい思い出になると思います。

 

 

濃いめの人間関係

国公立の獣医学科は1学年が30名~40名と小規模なため、学部内の人間関係が濃いめです。先輩、後輩まで大体把握できてしまいます。またクセのある人は多いですが、同じ志を持つ者同士、気が合う仲間が見つかるはずです。中学、高校と友達がいなかった、なんてやつもいますが獣医学部では生き生きしていました。

 

大人数で授業を受けている学部と異なり、研究室に入る前から先輩後輩で遊んだり、学部内の飲み会を盛んにやったりしてとても楽しいと思います。その反面、人間関係のトラブルがあると居心地が悪くなったり、誰と誰が付き合っているなどの情報は先生も含めて学部みんなで共有されがちだったりします。

 

そして大学ごと、さらには学年ごとに雰囲気はかなり違っていて、とても仲良しの学年もあれば、かなりドライな学年もあったりします。学年のカラー次第でこの学年とこの学年は仲がいいなんてこともありますね。まあ大体最後には仲良くなってると思います。

 

 

地獄のテスト期間

獣医学部ではどこの大学でも最低限行うべき、共通のカリキュラムみたいなものがあり、それに沿ってたくさんの試験があります。

 

単位の取りこぼしがあると臨床実習に出られないので、1個のテストに落ちただけでさらっと留年することもあります。僕も数多くの友人を見送りました。

 

 

そのためテスト期間はかなりストレスで発狂しそうになることもありましたが、やはりみんなで協力し合うことでなんとか乗りきれたと思います。たまに「過去問みんなに流さないマン」とか「仲良しグループだけで過去問回すウーマン」、みたいなやつが出現してその学年の仲が悪くなってたりします。

 

テストはつらいですが、みんなで深夜にわいわい勉強したことはいい思い出で、個人的には友情が深まるイベントだったと前向きに捉えています。なぜなら僕はテストに落ちたことが一回もないからです!留年したら憎しみしか残りません。気をつけて。

 

 

個性的な研究室

獣医学部には獣医学生の興味を満たしてくれるおもしろい研究室がたくさんあると思います。臨床がしたい人、大きい動物が好きな人、ウイルスや細菌に興味がある人、それぞれに合った研究室がきっとどこの大学にもあります。

 

研究が盛んな大学では、学会発表に向けてゴリゴリ実験をやらせてもらえたり、海外でフィールドワークをする機会をもらえたりもします。僕もたくさん出張させてもらい、とてもいい経験になりました。

 

ただ、いくら興味がある研究でも精神的、肉体的な負担で地獄になることだってあります。これは獣医学部にかぎらず、すべての学部に言えることだと思います。事前にしっかり先輩などから情報を集めることが大切だと思います。

 

 

十人十色の進路選択

卒業生の就職先は多岐にわたります。決して全員が動物病院の獣医さんになるわけではなく、牛の獣医になったり、国家公務員になったり、研究者になったり、動物園に行ったりと様々です。いろんな分野で働く友達がいるというのはおもしろいですね。

 

ただ、公務員や臨床に行く人はともかく、民間企業などへの就職活動は獣医だからといって優遇されるわけでもなく、公務員や臨床に行っても待遇は医師のように良いものではありません。

 

この辺で、あれ?進路選択間違ったかな?という思いがよぎったりします。獣医になりたい!という強い意志があれば別ですが、そうでなければ獣医学部に将来的な旨味はそれほどありません。それでも獣医学部に来てよかった、獣医業界って楽しいと情熱を持てるかはあなた次第です。

 

愛すべき獣医学部

あるときは牛の糞にまみれ、またあるときはイヌの尿を浴び、そしてまたあるときは仔牛に下痢をもらう。卒業したってお医者様のような待遇には夢のまた夢。獣医学生は学年を重ねるごとに現実を知り、自分たちの進路選択が決して賢いものではないことを理解します。同時にそんな選択をした自分や級友、そしてこの泥臭い学部が愛おしくなり、愛さずにはいられないのです。

 

決してみんなに獣医学部はおすすめしません。悩める若者には「医学部にいけるなら医学部いけ」と言いたいです。それでもやはり獣医学を学びたい、そう思ってしまう同志を心より歓迎いたします。

 

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