【まとめ】獣医学部生の就職先とは?7つの進路と学生のタイプをご紹介!
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 獣医学部に行ったら、どんな職業につけるの?

とお考えの獣医学部に憧れる中高生、そして進路に悩む獣医学生、さらにその親御さん。獣医学部の進路は犬や猫の獣医さんだけじゃないですよね。動物園の獣医さんになりたい人や牛の獣医さんになりたい人もいます。今回は、多岐に渡る獣医学生の進路を7つにまとめてご紹介します。

 

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1.小動物臨床

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いわゆる獣医さん。ワンちゃん、ネコちゃんのお医者さんですね。私立大ではぶっちぎり1位の人気就職先です。これを目指して獣医学部に来る人が一番多いと思います。でも現実的にはかなり大変なお仕事だと思います。花形だけど激務そして薄給。

 

☆キャリアパス

1:見習いとして動物病院に就職 (就職先は割とすんなり決まる)

2:その病院や違う病院に移ったりしつつ経験を積む。大学付属病院に研修に行く人も

3:勤務医として昇り詰める or 開業する

 

特徴

  • 想像通りの激務。待遇は動物病院によって違うが、収入的にも普通に会社勤めの同期と同じくらいか、負けることも (こっちが多数かも)。ただし、開業して軌道にのれば1000万以上プレイヤー。
  • 獣医学生は大学病院の研修医の地獄のような労働環境にビビリ、こりゃ無理だわ。と思ったりする。
  • やりがいで生きてる尊敬すべき人たち。わりと頭ぶっ壊れてる人も多い。

 

 獣医学生のタイプ

勉強家でがんばりやさんが多いイメージ。小さいころから決めていたからと行くやつもいる。学部時代から臨床系の研究室に所属するのが王道だが、そもそもこの時点で忙しい。ぜひ頑張ってほしい。死なないでね。

 

 

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 2.産業動物獣医師

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牛さんや豚さんのお医者さん。一番メジャーなのはNOSAIという共済組合に獣医師として就職し、農家を往診する。それ以外では酪農・畜産コンサルなんていう業務形態のところもある。全国各地に職はあるが、やはり酪農大国北海道が聖地なのでしょうか。

 

☆キャリアパス

1:NOSAIなどに就職 見習いとして数か月先輩と一緒に往診

2:独り立ちして農家さんをまわったり手術に参加。

3:ベテランとして偉くなる。(開業する人は小動物に比べ少ないかも)

 

特徴

  • 最初は興味がなくても実習を重ねるうちに惹かれていく人が多いのが大動物臨床。やはり一番メジャーなのはNOSAIへの就職。
  • 小動物の勤務医より待遇は随分いいはず(地域にもよる)。北海道の僻地に行けば、30代で1000万に近い給料をもらっている人もいるらしい。
  • まあそれなりに忙しいのは獣医さんになるなら覚悟する。でも小動物よりは全体的にましな印象。
  • 必然的に勤務地は田舎になる。が、少しでも都会に近いところへと人気が集中する年も。(千葉NOSAI、兵庫NOSAIなど)。

 

※番外編:馬の獣医

馬の獣医さんをやりたい人がまず目指すところはJRA (日本中央競馬会) の獣医師。例年5名ほどの採用枠と狭き門だが、初任給は獣医さん界でもトップ。馬をやれるところは少ないためやはり人気。JRAに就職すると「おおー」と一目置かれる。

 

獣医学生のタイプ

これぞ獣医学生!みたいなおおらかで動物好き!みたいなやつが多い。案外女子も多い。体育会系なやつも多いかな? 犬猫やるつもりだったけど、病院実習で嫌気が差し、牛に走るやつらもいる。

 

 

3.地方公務員

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毎年、かなり多くの卒業生がこの進路を選んでいる。特に国公立大では小動物臨床と並ぶ人気な進路。主に食中毒などの対応をする食品衛生系の部門と家畜の病気を管理している家畜衛生系の部門があるが、自治体によって配属のされ方は様々。公立の動物園への配属を狙って、動物園がある自治体に行く人もいる

 

☆キャリアパス

良くも悪くも年功序列でしょうか。長く働けば自然と役職についていくみたい。若いうちは3年くらいで異動を繰り返す。市町村採用では保健所→動物園→食肉検査所みたいな部署異動もある。

 

特徴

  • 市町村と都道府県の両方で募集されている
  • 例年人手不足の自治体が多く、選ばなければ大体どこかの公務員になれることが多いので、獣医学生の間では安全パイ扱いされている。それなりに勉強はするが。
  • お給料は一般的な公務員+αでそんなに悪くないが、医系の公務員の手当等と決して比べてはいけない。
  • 勤務地は選べるので、どこどこ住みたーいとか言って決めてる人もいる。

 

獣医学生のタイプ

公務員だから真面目っていうわけでもなく、就活めんどくさーい勢や定時に仕事を終えて楽しみたい勢などの人種も多い。まあ可もなく不可もなくなイメージで、「あ、公務員にしたんだねー。」くらいの受け止められ方をする。とネガティブなことを言い過ぎた気がするが、もちろん真面目な学生もいるし、畜産物の安全性や安定供給を守る重要な職務であることは間違いない。

 

 

4.国家公務員

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獣医系技官の募集があるのは厚生労働省と農林水産省。前者は主に食品衛生系や公衆衛生系の業務、後者は家畜伝染病などを扱う。検疫所に勤務する人たちもこの手の人である。国家公務員1種と同等の扱いということで、激務だがある程度までの出世は約束されている。

 

☆キャリアパス

国家公務員1種相当なだけあり、数年で肩書が付き、出世街道を進んでいく。ただし、もちろんトップに近づくほどポストは減り(技官であればなおさら)、上の上まで登る人は少ない。

 

特徴

  • 獣医枠で受けることができ、他の国家1種を受けるよりは競争が激しくない。
  • 本庁勤務になればかなりの激務。(部署によるらしい)
  • あくまで公務員だから出世するまではそんな稼げない(稼いでる先輩もいる。なぜだ。)
  • 国の政策に関わるエリートで、国家行くと言えば「おおー」と尊敬される

 

※番外編

獣医技官で受けずに、他の理系学生と一緒に試験を受けて環境省等を目指す学生もいる。環境保全や動物保護に熱い思いをもっているやつなどがコレ。試験科目的にも大学では履修してないものを独学する必要があり、厳しい道ではある。

 

獣医学生のタイプ

意識が高くしっかりしているやつ。真面目だがちょっとクセがあるやつも。ただ、獣医技官以外で受けるとがった人は破天荒な人も多い。やっぱり国家公務員は格上感があるので、特にやりたいことないけど上昇志向があるやつとかが試験勉強してたりする (受けるかどうかは別)。意識高い学年だと5年生の時点で筆記は受かってます。とかって変態もいる。まあ何にせよ、激務だってわかっているのに飛び込んでいくその崇高な志には頭が上がらない。単に被虐趣味があるのかもしれない。

 

 

5.民間企業

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普通に他の学部の学生と一緒に就活する。大手製薬企業に行くやつは本当に優秀。他にも食品系の研究職や動物用医薬品の研究にいくやつもいる。特に獣医師としての資格を活かすわけではなく、普通にばりばり研究することになる場合が多い。教授の推薦うんぬんは近頃ほとんどないっぽい。

 

☆キャリアパス

一般的な就職と同じ。

 

特徴

  • 普通に就活を勝ち抜く必要があるので、大手に就職するのは険しい道。
  • ただ、大手の製薬に入れば待遇的には一番の勝ち組
  • 獣医だからって採用試験で優遇される時代は終わったらしいが、一応、お、獣医かと思ってくれる担当者もいるそう。製薬企業などでは研究室で動物を扱っていれば有利とも言われる。
  • 獣医学生は就活時期と臨床実習が重なることもあり、時間的に余裕がなくなることも。ただ、獣医のやつらは就活に対してのんびり構えすぎている感がある。

 

学生のタイプ

バランス感覚のある優秀なやつが多い。いい暮らしをするんだ、という上昇志向が強い人もいる。ある意味世俗を捨てられなかったおもしろみのない獣医学生(とあえて言おう)。大手企業に決まったやつはあがめられる。何にせよ就活は大変なので、しっかり競争に勝ち抜いて内定をもぎっとってきたやつはすごいと思う。

 

※番外編

まったく関係のない文系就職する人ももちろんいる。某出版社やアナウンサー、超有名証券会社とか。まあ変な人が多いのも獣医学部の特徴ではある。

 

 

6.動物園

これも獣医学部生憧れの職の1つ。動物園単位での募集しているところと、自治体の公務員獣医師が派遣されているところがある。公務員の場合は希望しても動物園に行けるとは限らないため、動物園での採用を狙う人が多いが、かなりの狭き門であるお給料もお察しの通りであり、最後まで動物園志望を貫けるのは夢とやりがいに生きる動物大好き少年、少女のみである。

 

☆キャリアパス

いきなり新卒で動物園獣医師の正規ボジションを得るのはほとんど不可能。契約社員として飼育員から始めたり、臨床経験を積みつつ応募したりする人が多い。公務員からの配属は運次第。近年では公立の動物園でも動物園専属としての採用が増えてきている、というかそんな風潮があるらしい。

 

特徴

  • 志望者数に対して枠が少なく、狭き門
  • 珍しい動物や大きな動物に触れるほとんど唯一の職業
  • 就活の時期や募集があるかどうかが不透明で志望者は精神的に苦しい
  • 新卒では厳しいとも言われ、犬猫の獣医をやりつつ、毎年募集を探している人もいる。

 

学生のタイプ

低学年のころは志望している学生がたくさんいるが、現実を見て公務員や小動物臨床に流れていく。そのため実際に動物園を第一志望で就活する人はかなり少なくなる。それだけ熱意を持っている動物大好き人間だけが動物園行きを獲得する。すごいね。

 

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7.進学

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博士課程へ進学する人もちょこちょこいる。他の理系学部は4年 + 修士2年 + 博士3年の合計9年が一般的だが獣医は医歯薬系と同じく、学部6年 + 博士4年の10年と少し長くなる。博士課程の人は学部生の面倒を見てくれる神のようなもので、この人たちがいるかいないかでその研究室の優秀さやヤバさを測れる。

 

☆キャリアパス

一般的なアカデミア研究者と同じ。30歳手前くらいでやっと博士になり、ポスドクという契約社員みたいな研究員をやりつつ、正規のポジションを探すのが一般的。めちゃくちゃ優秀な人でも運次第で助教になかなかなれないことも珍しくない。獣医は狭い世界な分、世話を焼いてくれる人がいて恵まれている、という話は聞いたことがある。

 

特徴

  • さらに4年間学費を払って、研究に打ち込むドMである。
  • 企業に行っても出世するのは結局博士の人とも言われ、挑戦する価値はある。
  • 好きな研究ができて楽しい。
  • 優秀な業績と研究計画で審査を勝ち抜けば2年次から月20万円のお給料がもらえる「学振」とよばれる制度がある。
  • 授業料はいくらか免除になっている人も多く、お金の問題はギリギリ何とかなるかもしれない。
  • 大学によっては国のプロジェクトで月15万程度のお給料がもらえるところもある。これは時の運。

 

学生のタイプ

ガチで優秀な人もいれば、就職決まらず...な人もいる。だが博士課程はかなり忙しく、結果も求められるため仕方なくでやっていける道ではなく、生半可な気持ちだと挫折する。実際、「あの人いなくなったね...」となることもあり、闇が深い進路でもある。大学院生と聞くといつまでも働かないヤツらみたいな印象を持っておられる方もいるが、博士に残っている人の中には凡人とは一線を画す優秀な人たちも多く、すごいなぁと思うのが正直な感想である。

 

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。獣医学生の進路のタイプは大体上の7つに分けられます。大学によってどのタイプの割合が多いかは異なりますので、自分の興味に合わせて大学から選んでみるといいかもしれません。

 

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