中東で野生動物が見たいあなた!僕のおすすめはイスラエルのエン・ゲディです!死海にほとりにあるこのオアシスのような国立公園ではアイベックスに会えるんです。今回はそんな僕がエルサレム観光そっちのけで行ったヤギ探しの模様をお伝えします。ええ。需要がないのは承知の上です。
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目次
アイベックスって?
アイベックスとは山岳地帯に住む野生のヤギ類の総称です。
ヤギ属は全10種程ですが、このうち7種がアイベックスと呼ばれます。
立派な角がかっこいいですね~
僕は完全なる角フェチであります。ええ。
アイベックス7種は以下の通り。
- Capra caucasica カフカスアイベックス
- Capra cylindricornis カフカスツール
- Capra ibex アルプスアイベックス
- Capra nubiana ヌビアアイベックス
- Capra pyrenaica スペインアイベックス
- Capra sibirica シベリアアイベックス
- Capra walie ワリア
これにヤギとその祖先であるノヤギ、ペルシャ語で「ヤギの王様」という名をもつマーコールの3つを加えてウシ科ヤギ属を形成しています。
ちなみにマーコールはこれ。
たまりませんねぇ。
話を戻してアイベックスですが、彼らは角を狙ったハンティングや家畜と飼料が競合するなどといった理由から、数を減らされてきました。そのため絶滅の危機に瀕するものもいます。現在の分布はこんな感じ 。やっぱり高山地域に分布していますね。日本にはいません。
そして今回イスラエルで探すのは赤で示されている「ヌビア・アイベックス」です!ヌビアアイベックスも野生個体の数は1200頭以下と言われ、絶滅危惧2類に指定されています。さてそんなヌビアアイベックスに会えるのでしょうか? (会えたよ!)
いざイスラエルへ!
イスラエルはパレスチナ問題で物騒なイメージが先行してしまいますが (実際に地域によっては危険)、聖地エルサレムはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教にとって重要な場所で、多くの巡礼者や観光客を集める世界屈指の観光地です。
エルサレムの旧市街はかなり見ごたえがあって楽しかったです。
ユダヤ教徒の大切な場所、嘆きの壁で行われる集会には圧倒されます。その他にもエルサレム旧市街は見どころいっぱいです。
しかし!僕の目的土はイエスが処刑されたゴルゴダの丘でもムハンマドが昇天した岩のドームでもない!そう!アイベックスが見られると噂のエン・ゲディです!ということでエルサレムのセントラルバスステーションから一時間半かけて死海のオアシス、エン・ゲディの国立公園へと向かったのでした。
エン・ゲディ国立公園
イスラエルではアイベックスと遭遇しやすい場所がいくつかありますが、高確率で見られる場所が「エン・ゲディ」なのです!エン・ゲディは死海のほとりにあるオアシスで、国立公園があります。ここがアイベックスを含む動植物にとってもオアシスになっているわけですね。ちなみにここは旧約聖書に登場するダビデ王が、初代イスラエル王サウルから逃れて身を隠したと言われる場所でもあるそうです。
エルサレムから標高がどんどん下がり、辺りがなにもない荒野になってから死海に沿って走っていくと緑が茂るオアシス、エン・ゲディが見えてきました。数名のバックパッカーが一緒にバスを降りました。人気なのかな?
すぐ横にバックパッカー向けの宿もあります。そしていざ動物探しへ!と行きたいところですが、日中の気温が40℃を超えるエン・ゲディでは動物が活発になるのはおそらく最も涼しい早朝のはず。ということで翌日の早朝に出かけることにしました。
国立公園の岩山から死海が見渡せます。
ついに念願のアイベックス、の前にイワダヌキ。
宿を朝5時過ぎに出た僕は国立公園の入り口近くの岩山に潜伏。動物が出てくるのをじっと待ちました。ええ。完全に不審者です。そして朝日が昇りきった朝7時ごろ (結構待ちましたね)、辺りがにわかに騒がしくなってきます。
そしてついに姿を見せた...
こいつ!!
ケープハイラックス (ロックハイラックス) ですね。和名はイワダヌキです。
かわいらしいような、憎たらしいような。
やっぱかわいい。
しばらくの間イワダヌキに夢中になっていると、後ろに動物の気配が、
振り返ると...
いるじゃないの!!ついにアイベックスと出会えました。やっぱり角がかっこいいですね。ていうかめっちゃいた...。国立公園の入り口付近まで降りてきていました。
いい角してるわ~ (画質ごめんなさい)。
若アイベックスですね。やっぱり若者は好奇心旺盛で、少し近づいてきてくれました。
イワダヌキは結構接近してくれますが、アイベックスは警戒心強めでした。その後しばらく彼らとのふれあいを楽しみ、満足して帰路についたのでした。
アイベックス攻略情報
イスラエルへの入国
イスラエルへは空路と陸路の両方で入国可能です。僕はヨルダンから陸路で入国しました。空路の方が心配事は少ないので簡単だと思います。
そしてイスラエルの入国審査。この審査はかなり厳重で不審な点があれば即別室行きになると噂される難所です。僕はイスラム系の国に旅行歴があったため、結構長めに質問されて冷や汗をかきました。まあやましいことがなければ、ちょっといじめられるくらいで大丈夫でしょう!
僕が聞かれたのはこれくらいです。
- 職業
- 何しに来たか
- 何日いるか
- どこに行く予定か
- どこに宿泊するのか
- イスラム教の国で何をしていたのか
イスラエルのスタンプがパスポートにあると他の中東の国に入れなくなると言われていますが、現在はスタンプの代わりにカードを発行してくれるので何も言わなくて大丈夫です。
たくさんのアイベックスを見たければ朝を狙え!
エン・ゲディ国立公園内には昼間でもイワダヌキやアイベックスが見られることも多いそうですが、いてもチラホラいるくらい。やはりガッツリ群れで見たいなら早朝にでかけましょう。
僕が行った9月だと7時ごろからだんだんと出てきて、人が増える8時くらいまでは見られました。やはり朝は動物が活発で、草をもぐもぐしたり、走り回ったりする姿が見られました。
注意
エン・ゲディは死海に浮かべる無料のビーチがありましたが、2017年ごろから閉鎖されています。ちょっといったところにエンゲデイスパという有料ビーチがあるようです。
まとめ
今回はたくさんのヌビアアイベックスに出会うことができ、期待以上でした。さらにかわいいイワダヌキにも接近できかなり満足度の高い旅となりました。エルサレム観光のついでにぜひ、アイベックスも見てやってください。(2017年 9月)